ノンジャンルのバイオリン奏者として活動しています 小夜子

バイオリン奏者の小夜子です。3歳よりバイオリンを始め、6歳で渡米、自由な環境で音楽に親しんできました。帰国後はポップスなど幅広い音楽に興味をもち、独学で演奏をするようになりました。ワンマンライブ、ショーや演劇での演奏、アーティストのサポート、『琴音~Cotone』、『teDesUtETT』 等のユニットライブの他、絵本朗読やリクエストライブなど、独自の企画も行っています。最近では、5弦バイオリンやエフェクターを活用したエレキバイオリン演奏にも挑戦するなど型にはまらない自由な表現を目指しています。

バイオリンを始めたきっかけを教えてください

私が小さい頃、親はピアノとか、何か楽器を習わせたかったようです。この頃私は、NHKの『おかあさんといっしょ』の中で放送されていた人形劇『にこにこぷん』が好きでよく見ていました。『にこにこぷん』には、いろんなキャラクターが登場するのですが、とりわけバイオリンを弾くネズミのぽろりが好きだったようで、ぽろりが出てくると必ず布団たたきと定規を持ってきて、ぽろりの真似をしていたそうです。それを見た親が、それならバイオリンを、ということで習い始めたのがきっかけです。

小学生の頃、アメリカで生活したそうですね

はい、6歳のとき。父の仕事の関係でアメリカに行くことになりました。バイオリンは、引き続き、現地の先生に習ったのですが、日本の先生とアメリカの先生では、教え方が全然違うんです。日本人の先生は正確に弾くことに重きをおいていたのですが、アメリカの先生は、正確に弾くことはもちろんですが、それ以上に音楽を表現することに重きをおいていました。アメリカで習い始めた頃、「なんでそんな楽しい曲を仏頂面で弾いているんだ、楽しい曲なんだからもっと楽しく弾かなくっちゃ」ってよく言われましたね。それでもなかなか笑顔で演奏できないので、あるとき、発表会で私を笑わせようとして、先生が大きな袋に入ったマシュマロを私に向かって投げてくるんです。アメリカでは、こんなユーモアな面がありましたね。バイオリンで王道と言うとやはりクラシックですが、アメリカでは、自由課題で好きな曲を演奏したり、夏の合宿などではカントリーを演奏したり、自然とクラシック以外の音楽にもふれられる環境があったように思います。こういった経験の中で、日本ではあまり学べないような感性が身につけられたのではないかと思っています。

将来はバイオリン奏者になろうと考えていたのですか

それが、帰国してしばらくはバイオリンを続けていたのですが、中学受験などが重なってしまって、バイオリンへの興味が薄くなってしまったんです。高校生の頃、バンドにも興味を持ったのですが、親に反対され、断念したりもしました。私の親はとても厳しくて、中学・高校の頃は門限が6時だったり、何か新しいことをやろうとしても、心配のあまり反対されてしまい、なかなか思うようにできませんでした。大学を卒業すれば、自由になれると思ったのですが、就職するにあたっても結構揉めました。当時、映画会社に入りたくて内定までこぎつけ、「やっとこれでやりたいことができる。」って思ったのもつかの間、親の猛反対にあい、半年間揉めに揉め、あえなく内定を辞退しました。映画会社っていうのが浮いた仕事に思われたのか、「そんな仕事だめだ!」って言われたんです。結局親に勧められた会社に入社しましたが、もともと興味があったわけでもなかったので、冷めた新入社員でした。それでも入社してしばらくは、配属された部署がとても人間関係が良く、自分がやりたい仕事じゃなかったことを忘れてしまうくらい、有意義でした。でも人事異動をきっかけに、もともとこの仕事にあんまり興味が無かったことを思い出し、趣味でも始めようと思って、再びバイオリンをやってみようって思ったんです。

それでどんな活動をしたのですか

当時、社会人バンドでバイオリンを募集しているところがあったので、そこで演奏していました。最初は音楽をやれることが楽しく、充実していたのですが、次第に自分がもっと主体的にできるものがやってみたいと思うようになりました。私は0か100かっていう性格でやるなら本気でやりたかったし、自己満足ではなくて、お客さんにも楽しんでもらえるようでないと嫌だったんです。そんなわけでいつしか社会人バンドを辞め、仕事として音楽活動をするようになりました。最初はバレエの発表会の伴奏だったと思います。その後、次第に音楽仲間が増え、ユニットを組んでライブ活動する頃には、会社員との両立が厳しくなってきました。それで、ついには親に内緒で会社を辞め、音楽活動に専念することにしたんです。
注)その後、親には会社を辞めたことは報告はしました。

ユニットでの活動について教えてください

最初に組んだユニットがハープのAyukaさんとの『琴音~Cotone』です。琴音のライブでは毎回テーマを決めて、そのテーマに合わせたゲストをお呼びしています。その中でも長く続いているのが、清水由季さんという女優さんに絵本を朗読してもらって、生演奏で音楽をつける『大人のための絵本読み聞かせ』企画です。演奏している曲は、初めの頃はカバー曲を使っていたのですが、一昨年から私が作品に合わせてオリジナルで曲を書き下ろしています。絵本の世界観やシーンに合わせて様々なタイプ曲を書いているので、幅広い楽曲を楽しんでいただけると思います。

他にもいくつかユニットを組んでいるそうですね

他には、2年くらい前から、ギターとのデュオ『teDesUtETT』(てですてって)というユニットも始めました。ギターの加藤裕幸さんも私もジャンルを問わずやりたい派なので、オリジナルからクラシックやジャズっぽいものも含め、なんでも演奏します。1年半くらい前にはじめて自分たちのCDも作りました。半分はオリジナル、半分はカバーで、クラシックやアイリッシュを自分たちでアレンジしたものを収録しました。バイオリンとギターというフットワークの軽さを活かしてセッションしたり、自由な形で演奏できるので、去年は月に数回短い動画を作ってTwitterにあげたりもしました。


また、今年新たにバイオリンとチェロとベースの弦楽器のユニット『変弦自在』を始めました。弦楽器のトリオっていうとクラシックとかしっとりとしたサウンドを思い浮かべると思うんですが、そうじゃなくて選曲はPopsとかFunkとかRockを中心に演奏しています。弦楽器って叩いてパーカッションのようにリズムを出したり、ギターみたいにコードを弾くこともできるんです。このユニットでは、弦楽器のいろんな可能性をもっと追究したいって思っているんです。

ワンマンライブについてもお話してください

去年から4月のバースデーと秋にそれぞれワンマンライブを企画しています。ユニットだと良くも悪くもどうしてもメンバーの力も借りてしまうので、自分一人でもライブをやれるようにと思って、ワンマンライブを開催するようになりました。もちろん、一人で演奏するわけではなくて、サポートをお願いしたりはするのですが、ライブの構成の決定、演奏曲や、メンバーやゲストの決定、会場の選定まで、すべて自分一人でやっています。

今年も4月14日(土)に神保町の楽屋でバースデイワンマンを行うのですが、初めて昼夜の2回公演を行うことにしました。昼の部は『琴音~Cotone』でいつも一緒にやっているハープのAyukaさん、女優の清水由季さんを、夜の部は、バイオリンのemyu:さんとチェロの小宮哲朗さんをゲストに呼んで演奏します。最近気付いたんですが、私のやりたいことっていうのは特定の音楽を極めることではなく、バイオリンという楽器を軸に、幅広くいろんな音楽を自由に表現することなんだなと。夜の部ではユニット『変弦自在』のコンセプトを活かして、弦楽器をフィーチャーしようと思っています。

最後に、今後の活動について伺います

今までいろんなチャンスを与えていただいて、幅広く取り組んできました。最近は一つ一つをもう少しだけ深く勉強してみたいなあと思っています。今後も今の活動を地道に続けていきたいですね。そして、バイオリンはクラシックに限った楽器ではなくて、いろんな可能性を秘めた楽器であるということを、もっとたくさんの人に伝えていきたいです。そろそろ自分のソロのCDも作りたいですね。

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